おクスリと私

 おクスリを服用し始めたのは、お仕事がしんどかったから。当時の上司の考え方にさっぱり付いていけなかったから。

 その上司の考えに付いていけない自分の精神を落ち着けてなおかつ、ややもすると無くなるやる気を起こすために病院に云っておクスリを処方されて服用しはじめたのだ。

 それが始まり。ちなみに終わり見込はみえてない。

 今、振り返ってみると、我が正しいんだけど、そうじゃない状態に置かれた自分を精神状態を保とうとしていたんだと思います。

 上司とコミュニケーションが中途半端で、仕事の結果が上司の思うものでないものになって、叱られるのくり返しがしんどかったんですね。もう、仕事が苦痛でした。

 当時は常駐していたので、作業場では上司と席を並べていました。他には関連会社から作業者一名の計3人で仕事していました。入場者の人は、以前から上司を知ってて過去同じ仕事していたそうです。その人への作業指示と私への作業指示は違ってました。会社も違うので任せる仕事の内容も違ったのでそれは仕方がない話です。

 ま、おクスリの服用開始はそんな感じ。当時の症状は、眠れない、イライラするということで、アンテーザイと眠剤とコーウツザイが処方されていました。

 でも、自分の症状は鬱なのか正直分からなかった。(暗い性格で、昔から希死念慮とかフツーにありましたけど、、、)

 当時、今は亡き中島らも氏の著作を読んでおり、仕事がひますぎ外回りで一旦もたれ掛かった電信柱から次の電信柱まで歩くことができなくなり病院でコーウツザイとかリタリンを処方してもらったエピソードを知っていました。
 その内容から自分の症状とは違う感じを持っていました。レベルが違うと。

 んで、おクスリなんすけど、眠剤以外は効用を感じられませんでした。けど律儀に毎週病院に症状報告しておクスリを処方してもらいました。

 おクスリと私の始まりはそんな感じで、その後、やってた仕事(プロジェクト)は終わり、その上司からは離れたため、一旦フツーになりました。

 けど、眠剤の効きは結構癖になったので、それを目的に通院してました。眠れないって患者が言ったら(嘘かホンマかわからへんし)おクスリ処方するしかないでしょうしねー。

休職と私

 ある夏から秋にかけて、その正月に本番を迎えるシステムの仕事につきっきりになっていた。もちろん僕ひとりで行うことはなく上司、同僚とともに作業をすすめていた。
 裁量はないけどお客との調整、スケジュールなどは前面に僕が立っていた。

 僕の仕事振りをみて、上司曰く、フラグが立ったらしい。
なんか危険なものを感じたとのこと、俺はそのようなことを見つければ、ほっとけないんだと言っているのを聞いた。

 僕はそのころ、そのようなフラグが立っていることを知らずに毎日作業の進捗に対して罵倒の電話、罵倒のメールを受けることになった。上司の思うような方向に向けて作業をすすめていると思ったが、違うかった。

 罵倒されると思考停止になった。
 なんつーか、自分の意見とか発言が言えなくなった。
 言葉がでないの、それがまた上司をイライラさせるの。だめだめだねー。

 ほんっと、単純な作業、メールを出すでも、関係の薄い人にメール送ってしまったりして、それで上司から凄い罵倒、自分が悪いのは分かるんすけど、そこまで追い詰めるのもなぁ、厳しい。それが社会であり会社であった。ちなみにメールの誤配信は大事にはならなかった。

 ある資料を作ってホッチキスを留めたの、それを上司に提出するとホッチキスの留める位置について「お前普通じゃねーぞ。」と言われた。どう留めたか覚えていない。「すみません。」しか言葉でず。

 そんな日々の中で不意に会社メールを開き、そのアンケートに答えた。それは今から考えると、フツーなら穏便にすますような、メンタルに関するアンケートだった。

 それから少したって、診療所から内線電話がなった。僕はてっきりはじめて受ける人間ドックの予約をぶっちしたことのフォローと思ったが、違った。

「会社の診療所にすぐきて下さい。」と、そして日程を調整して訪問した。

 僕は診療所に言って、看護師?先生?先生ではないな、、、僕を一目見るなり、休んで下さいと。

 その頃の僕は、髪もぼさぼさで、ネクタイも弛んでいたと思う。目も空ろだったかと思う。なによりアンケートに答えた内容がひどかった。(ネガティブ満載の回答であったと今でも軽く覚えている)

 診療所の看護師級の資格を持ったであろう人は、私から上司に連絡しますので、休んで下さいと言われた。
 まだ出来ますと言ったような気もするが、けっこうあっさりひいた。休みますと答えた。
 その仕事に私が入っていると足を引っ張ると診療所の人に言われていることを感じた。自分が居なくても仕事は頭のいい同僚がすすめてくれると思った。

 その後別途、診療所で上司を交えて面談的なことが行われることになった。
「いつかこうなると思ったよ。」
 不意に二人きりになった瞬間にその上司は僕に向かって言った。
 僕から何も言葉は出なかった。